この教材のゴール
質量比と物質量比を区別し、分圧の和が全圧になることを確かめる。
混合した気体を一成分ずつ考える
反応しない理想気体の混合物では、各成分の分圧の和が全圧です。同じ容器内では温度と体積が共通なので、分圧の割合は物質量の割合に一致します。
成分の分圧=全圧×成分のmol÷合計mol
| 問題の条件 | 使う考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| molが与えられる | 合計molに対する割合を求める | 全圧をそのまま各成分へ割り当てない |
| gが与えられる | まずg÷モル質量でmolへ | 質量比を直接使わない |
| 温度・体積一定で別の気体を追加 | 元の成分のnRT/Vは変わらない | 全圧と個別の分圧を分ける |
例題:同じ質量でも同じmolとは限らない
水素2 gと窒素28 gを混合し、全圧が180 kPaになりました。モル質量を水素2 g/mol、窒素28 g/molとします。計算上、両者は反応しない理想気体として扱います。
- 水素は2÷2=1 mol。
- 窒素は28÷28=1 mol。合計は2 mol。
- 水素の分圧は180×1/2=90 kPa。
- 窒素も90 kPa。和が180 kPaになり、全圧と一致します。
誤答の原因を比べる
180×2/30=12 kPaとすると、質量比を物質量比の代わりに使っています。式の分子に入れた「2」がgなのかmolなのかを書き添えてください。「気体が2種類だから必ず半分」とするのも誤りです。この例では、計算したmolがたまたま等しくなっています。
別の気体を足すと?
温度と体積を一定に保ち、反応しない別の気体を追加しても、元の成分の物質量は変わりません。その分圧nRT/Vは変わらず、全圧が上がります。「全圧が上がれば、全部の分圧が同じ倍率で上がる」とは限りません。圧縮の場合とは区別しましょう。